41日め

2015年2月17日に生まれた長男の生後41日めからの記録

セス・スティーブンス「誰もが嘘をついている」

恥ずかしかったり認めたくなかったりで、誰にも聞けないことはグーグルに聞く。これは世界中、多くの人がそう。誰かが回答を見るアンケートとは違って、誰にも知られないし、グーグルは物識りだし。
セス・スティーブンスの「誰もが嘘をついている」はそういった何億ものグーグル検索ワードの分析から始まる。世界中の妊婦さんはどんな検索をしているかで、その国の妊婦さんが不安に思っていることがわかる。「どうやって…すればいいか」の場合はアメリカ「妊娠線を防ぐか」インド「寝るか」英国は「体重を落とすか」。また「妊婦は…をしてもよいか」だとアメリカ「小エビを食べていいか」ナイジェリア「冷水を飲んでよいか」シンガポール「緑茶を飲んでよいか」ドイツ「髪を染めてもよいか」等々。妊婦は世界中で似たようなものを食べたがる。一番はアイスクリーム。次に塩、スイーツ、果物、スパイシーな食べ物。
オバマ元大統領の演説中、アメリカ国民はどんな検索をしていた?あなたが知らないことはみんな知らない。ある病気をかかえた人たちの検索履歴を辿れば、その病気の初期症状や進行に応じた症状がわかる。なぜトランプ大統領は当選したのか?トランプ大統領が勝利した州はどのような検索ワードが多かったのか?人種差別をすることはいけない、だからみんな口には出さないけど、こっそり差別意識を育てている人もいる。グーグル検索ワードがそれを教えてくれる。

鳥肌が立つほど面白かった。
postcrossingという、世界中の人とハガキを送りあえるサイトに登録していたとき、わたしは「あなたの名前の由来か、昨日みた夢の内容を書いて送ってください」とリクエストしていた。どこの国の人がどんな夢を見ているか知りたかったから。あと人の名前の由来を聞くのが好きだから。
フロイトを信用してる人はもう少ないだろうけど、それを裏付ける夢のデータ解析のところが面白かった。夢を投稿するアプリのデータを分析するの。もっと詳しく知りたいくらいだった。だいたい実際に起きたことが夢に出てくるのは4日から1週間後だと言われているけど本当か?物事の大きさはそれに比例するか反比例するか?気候は夢にどんな影響を与えるか?夢に興味があるから、わたしが夢投稿アプリのデータ解析したいくらい。

この本のいいところは、ビッグデータを盲信していないところ。ビッグデータに出来ること出来ないこと、またビッグデータを利用してやってはいけないことが明記してあるのがいい。
証券市場の動きは予想できない。天才の遺伝子も探せない。また、測定の対象すべてに意味があると思ってはいけない。ビッグデータはあくまで傾向であって、必ず例外があることを忘れてはいけない。
乳酸菌のこと調べたくて本を検索してみたけど、結構狂信的な人が多くてなかなかいい本に巡り合わない。フラットで事実が書いてあって偏りのない乳酸菌と酵母の本ないかな。

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

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