小川洋子「ことり」
夕方から落雷があるというので、Yくんはおへそを守るためTシャツのすそをズボンの中に入れて登園した。
「言葉の誕生を科学する」から生まれた、小川洋子さんの「ことり」を読んだ。小川洋子さんの小説を読むのは久しぶり、これで3冊目かな?「博士の愛した数式」「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んで以来。
「言葉の誕生を科学する」の序文で小川洋子さんが小鳥をいかに可愛いと思っているか書いてあって、その描写がものすごく精密で正確で表現がすごかったから、もっと小川洋子さんの文章を読みたくなった。小川洋子さんの文章は絵画的。三島由紀夫みたいに織物的だったり、横溝正史みたいに音楽的だったり、文章は色々あるけど小川洋子さんの文章は絵本の挿絵みたいなわかりやすさと可愛らしさ、あたたかさがある。大好きな木内昇さんが「小川洋子さんの小説はなにを読んでも敬服する」というようなことを言っていて、前から興味はあった。
「ことり」読んだ後は気持ちが沈んだ。
努力が実ったり、がんばってることを誰かが見ててくれたり、報われたりするのを小説には求めてるからこういうのはきつい。
小父さんがそんなつもりはなくっても、司書さんだったら、女の子の母親だったら、こどもを幼稚園に通わせてる保護者だったらやっぱり怖いし警戒するよ。つらいなぁ。
小父さんは「きょうだい児」なんだろうか。