41日め

2015年2月17日に生まれた長男の生後41日めからの記録

飯伏幸太VSケニーオメガ 日本武道館

テレビで見たケニーオメガ選手に興味が湧いてから、まずWikipediaを読んだ。カナダの人なの、へーと読み進めていくと、「ゴールデン☆ラヴァーズとしてタッグを結成している飯伏幸太については「愛する人」と公言している。」とあって、ふーんと思った。ジャニーズでもよくある腐売りかな、プロレスにもこういうのあるんだって感想だった。
それからケニーのこと、ジャニオタ時代に培ったスキルを駆使して調べに調べた。知れば知るほど、ケニーから飯伏選手への愛が濃くて本気で真剣で、ここまでアピールされて飯伏はどう思ってるんだろう?と疑問を抱いた。みんなイブケニイブケニ、って一括りにして、二人は恋人だから!みたいなツイート2010年、11年くらいのツイートでたくさん見たけど本当のところはどうなの?小中学生の頃によくあった、「AちゃんってB君のこと好きなんだって。くっつけちゃおうよ」みたいなノリにはあまり加担したくない。だからわたしはケニーが好きだから、ケニーが飯伏のこと好きなのは承知した。だけど飯伏がそれを嫌がってるんだったら、それを盛り上げたり喜んだりするのはしちゃいけない。
そう決めたけど、飯伏がどう思ってるのかが全くわからない。ケニーのこと書いてあるかな?と期待して2冊出ている自伝を両方読んだ。1ページくらいさらっと触れられておしまいだった。DDTの試合レポートや週刊プロレスKAMINOGE、ゴング、ネットメディアのインタビューを読んだ。ケニーがアピールしていれば、インタビュアーの方が「どうですか」と聞いてはくれるけど、飯伏が自分から触れることは少なかった。そうやって色々読んで、この人あんまり自分の気持ちに名前をつけないな、だから説明しないんだなという感想を抱いた。自分でも気づかない、言語化されないまま置いてけぼりの気持ちがたくさんありそう。そしてものすごく疑り深くて、自分でこうだと思ったら周りの意見に耳を貸さないなと。

そうと気づくと、言葉よりも仕草や表情を観察したほうが色々と汲み取れるんじゃないかと考えを変えた。そもそも飯伏選手がどういう人かは「わたしが飯伏選手をどう見たいか」に集約される。だったらインタビューをいくつも読んで言葉を正面から受け止めるより、試合をたくさん見よう。そこで見たのが、2012年8月18日武道館の飯伏幸太VSケニーオメガの試合だった。

4年ぶりのシングル対決だったこと。
お互いにお互いを「傷つけたくないから」といって前哨戦を拒否したこと。
その頃はもう飯伏選手はDDTに所属しながら新日のIWGP Jr.王者のベルトを巻いていて、ケニーとはかなり差がついていたこと。
飯伏がケニーに雪崩式場外フランケンシュタイナーを見舞ったこと。(6mの高さから、マットも敷いていない床に叩き落とす!)
実況も解説も言葉を失って、村田晴郎アナが絞り出すように「なぜ、ここまでしなくてはならないのでしょうか」と言ったこと。
あまりに凄惨な内容のため、東スポプロレス大賞のベストバウトを逃したこと。

もうこの試合についてはさんざん語られていて、その感想も読んでいて、知識としては知っていた。誰もこんなこと言ってないから、わたしの勘違いかも。でも、飯伏選手は序盤、本当に乗り気でないように見えた。ケニーを攻撃することに迷いがあるように見えた。わたしにとってはわたしの感想が真実だから、「飯伏もけっこうケニーのこと好きじゃん」と思った。

その試合から時が経ち、道が分かれてまた戻り。
2人の過去を遡っていたわたしもやっと現在に追いついて、リアルタイムで2人を見られるようになった。プロレスファンになったときには、2人の対決が見られるなんて何年後になるかわからなくて、ただケニーが飯伏を求めるのを見てた。

ケニーが飯伏のこと「人生のパートナーだから」って公言すること、どう思ってるかはまだよくわからない。「それはちょっとやめてほしい」と思ってそうだけど、それならそうやって言えばいいじゃん。
事実と違うなら「違いますよ」と言えばいいし、わざわざ否定することもないと放置しているのか、もう好きにしてくれと思ってるのか。
最初来日したとき多分ケニーは飯伏にとって「お客さん」だったから、おもてなししてた名残がいまもあるのか。
モテすぎる人って大概頭おかしいから、飯伏選手もその線か。
自分が新日で上がっていくためにケニーは必要なピースだから、利用しようとしてる?と疑心暗鬼になったこともある。これはないと信じたい。

6年前の武道館でやった試合と比べると、ケニーは飯伏に「死んでも勝って、自分の価値を証明する」必要がもうない。飯伏vsケニーっていうカードにかかる期待値の高さはよく知ってるだろうから、どうやって試合を作るかっていうと、やっぱり2人の信頼関係とか、危険な技もこいつにならかけられるんだってところになるんだと思う。
まだ「飯伏はケニーのことどう思ってるの?」って問題が不透明だから、どんな気持ちで飯伏がこの試合に臨んだかもわからなくて、そういうところで感情的には乗れなかった。でもすごい技たくさん見られたし、介入もなかったし、すっごく力を入れて観戦したので試合の後は疲労困憊になりました。そもそもG1のうちの1試合だから、そうなると思うし、それでいいとも思う。

長いのに最後まで読んでくれてありがとうございます。棚橋選手優勝おめでとうございました。