41日め

2015年2月17日に生まれた長男の生後41日めからの記録

HIPHOPの悪口

Creepy Nutsにはまる前のHIPHOPのイメージといえば、知らない人が自分の凄さをリズムに乗せて紹介してくる、というもの。Creepy Nutsを好きになってHIPHOPまわりの見聞が少しだけ広がって、そのイメージが払拭されたかというと全然そうならない。

 

DJ松永さんは初めて付き合った女性を生涯かけて愛しぬきたい、という思想のもと、29歳でまだ交際経験がない。

そのことをめちゃくちゃにいじられ、バカにされ、ネタにされてるのを見るたびほんっとーーーにくだらない界隈にいるんだなと嫌な気持ちになる。冒頭に書いた「自分の凄さを説明する」ことをボースティングというらしい。そのボースティング、たいてい女にモテるとかラップがうまいとかで、はあ?って感じ。女にモテるかとか性経験が豊富とか、その物差し本当にくだらない。信奉してるのは女性じゃなくて女体だろ。

松永さん自体もそのホモソしぐさに則って、女性を貶めることでホモソーシャルに媚を売ってるような発言が3、4年前くらいは本当にひどくて、聞いてられなかった。後追いのファンだから、遡って聞いてるやつね。いまはそんな自由に喋ってないからわからないけど、さすがにその倫理観は向上してるはずだと願ってる。

 

松永さんの童貞いじりはRHYMESTER宇多丸さんもよくする。あんなにカルチャーに精通していてインテリジェンスがある、日本語HIPHOP界のトップでもそうなんだ〜、ってがっかりする。なんでその価値観は更新されないんだろう?する気がないのかな?そこに興味関心がないのかな?なんで童貞だといけないの?性交渉で作曲してるわけじゃないじゃん。意味わかんねー

ザ・シネマハスラーでも「長澤まさみの隠れ巨乳をもっと写せ」とか書いてあって、よくこんなこと平気で書けるな〜って引いた。まあこれは10年前に出版されたやつだから、10年前ならこんなもんかな?

松永さんは一見モテそうだし、地方のホテルで女性に押し倒されたり、先輩に3Pを持ちかけられて拉致されかけたり、そもそもDJっていう華やかな職業なのに貞操を守り通してるのがギャップがあってチャーミングなのでそこを突きたくなるのはわからないでもない。かもしれない。

 

相方のR指定さんも、地元のツレとじゃんけんして、負けたやつがお金出し合って勝ったやつが風俗に行く!で、みんなにその体験談を話して聞かせる遊びをして楽しかった〜などとよくお話しされていて、まあ楽しそうに女体を消費されてますね。女性の見た目への言及がとても多いし、美女イコール勃起、という思想を当然のように言葉に出しているのを聞いて、なぜ勃起が女性にとって誉れだと解釈してるのか心底謎。これって昭和のヤンキー漫画やHIPHOPで培った価値観なのかな。

 

先日のフリースタイルダンジョンでもK DUB SHINEさんが審査員のLilyさんの胸の谷間を覗き込もうとしたり、ブロウジョブ仕草をして嫌がられたりしてるのをそのまま放送して物議をかもしてた。それに意見した女性ラッパーの椿さんに対してZEEBRAさんが「自分たちの番組に出て、問題点を指摘して!」と依頼した。椿さんが「女vs男という構図で、自分たちの問題点を女性に叱らせるのはやめてください。自分たちで解決してください」的なことを返事したら、ZEEBRAさん、「そんな怒んなくてもよくない?」だって笑

「そんな怒んなくてもよくない?」笑

やば笑

 

HIPHOPまわりの話を聞いてるともやつくことが多くて嫌。ただそういう社会に興味持って首突っ込んでるのはわたしなんですよね〜

嫌なら音源だけ聞いてろって話になるのかな。うーん

しかも倫理観の更新は誰かに強制されてするものでもないよね、じゃあどうやってするのかな。いろんな考えを持つ人と関わりを持って、対話をすれば、更新し続けられると思ってた。でも毎週カルチャーの最先端の人たちをゲストに招いてる宇多丸さんでこうだからな。

 

ただそういうくだらないアンダークラスの価値観のなかから生まれる曲のなかで、否定しきれないくらい素晴らしい曲がたくさんあって、その恵みは泥をすするような思いをしながら選り分けて享受させてもらってる。

 

あとどうでもいいけどHIPHOPって空白なしでHIPHOPなのか、HIP・HOPなのかHIP空白HOPなのかわからなくて表記揺れがはなはだしいね。みんなカタカナで書こうよ。