41日め

2015年2月17日に生まれた長男の生後41日めからの記録

外様と生え抜き

片付けしてたら、「NEW WORLD 新日本プロレス公式ブックvol.1」を見つけた。オカダ表紙のvol.1、探してたのよー。
SHO選手のよいコラムを書いた宮川直実さんが「新日本プロレス公式ムックvol.1」の編集長だというので買ったの。そのよいコラムに加筆修正が加えられた完全版も載っていて、得した気持ちになった。
ヤングライオン田中翔に「まだ汚れていない怪獣」とつけるセンスに敬服。まだ日焼けしてないことを差し引いても写真がめちゃくちゃいいし、文章もいいし、繰り返し読んでまだ読み足りない。
よいコラムはこちら
https://njpwworld.com/column/t/5736495272951808/

でも読んで一番驚いたのはKUSHIDA選手の小説。だって主人公が、「田中翔小松洋平の同期だった元ヤングライオン」だったから。ヤングライオンとは、新日本プロレスでデビューしてから3年程度の選手を指します。ヤングライオンは寮に住み、コスチュームや技に制限をかけられています。SHO選手はヤングライオン時代、本名の田中翔を名乗っており、同期の小松洋平選手と共にセコンド等の雑務をこなしていました。←釣り番組を参考にナレーション入れてみた
新日でデビュー出来なかったヤングライオンコンプレックスを、ここで出してくるかぁと思った。ヤングライオンになれなかった男。
以前真壁選手が、KUSHIDA選手が新日に上がり始めた頃、こいつ新日好きすぎるなって思った話をしてた。

KUSHIDAが一番最初に新日本に参戦した時ってさ、マァ〜〜〜新日本が好きな青年だなって感じだった。それだけ。言い方悪いけど、それだけ。ってことは、良くないってことなんだよ。コスチュームにもライオンマークいれてさ、お前どんだけ好きなんだよって。(略)早く溶け込みたい、早くライオンを背負いたい。そのアピールがあった。
(KUSHIDAのpodcast2017.02.17)

こう言われてすぐに話をそらしたから、今後も言うつもりないんだろうけど。真壁選手がヤングライオンだった頃から後楽園ホールに通ってた少年がプロレスラーになるっていったら、やっぱり新日でデビューしたかったんじゃないかと想像してる。そのヤングライオンコンプレックスが今どれくらいあるかはわからないけど、もうそんなに大きくないってことは、小説の締めを読んでわかる。

どこから来たからではなく、どこへ行くか。
何をしたかではなく、何をするか。

俺はもう誰の評価も気にしないし、何に対しても劣等感を抱かない。

小説としても普通に面白かったし、KUSHIDA選手の肩書き?通り名?「タイムスプリッター」に関連した内容だったから、まさにKUSHIDA選手にしか書けない小説で楽しめた。
どんな気持ちで書いたんだろう?ヤングライオンになりたかった気持ちは慰められたのかな?いつ、劣等感を抱かないって境地に至ったんだろう?どの試合が転換点になったんだろう?
BOSJ のKUSHIDA SHO戦のバックステージコメント見たらますます興味持ってしまった。

プロレスラーの何が魅力かって、挫折や失敗に、人は心を動かされるんだと思います。それが、人前で戦う理由だろ。SHO、お前はこのまま行け。もし、何かあったら、俺を見ろ、KUSHIDAを見ろ。遠くから、頷いてやるから

KUSHIDA選手のコメント。「もし何かあったら、俺を見ろ」ってむちゃくちゃかっこよくないですか?ヤングライオンとして生え抜きで育ってきたSHOとは違う、いろんな国のリングを渡り歩いてのし上がってきたKUSHIDAにはSHOに見えないものが見えてるわけですよ!!生え抜きは生え抜きでいいけど、生え抜きじゃないレスラーって視点が違っててまたかっこいい。そして「遠くから頷いてやる」、ってことは、遠くから見守っていると同義なわけで、へぇー。
そしてKUSHIDAがはけたあと、SHOのコメント。

前日会見で、あの人が、SHOとやるのが楽しみだって言ってくれて、正直ゾクっとしたよ。俺は海外にいるとき、あいつの試合ずっと見てたんだ。このBOSJ、去年優勝したとこも見た。どうすればあいつに勝てるかってずっと考えてた。クソ、超えたい、超えたい壁、KUSHIDA。まだまだ、KUSHIDAの壁、高えよ。俺の相方のYOHが言ってたよ。KUSHIDA、頭のいいハイエナだって。確かにそうかもしんねえよ。でも俺はこの新日本ジュニアっていう生態系に、いろんな奴がいた方がいいと思う。いろんな奴といろんな試合が出来るんだったら、いろんな生物がいていいよ、じゃないと生態系って成り立たねーだろ?でも、その新日本ジュニアのピラミッドのトップに立つのはライオンじゃねーとダメだ!

長かったので途中略してるところがありますが。ここで生え抜きとしてのプライド出してくるのいいね!生え抜きだから出せるコメント。
この対戦中、リングの上でKUSHIDAがSHOに「優勝したいんだろうが!」って発破をかけたってレポート読んだから、何度も試合見返したけどやっぱり動画じゃ聞こえない。3カウント入って、KUSHIDAがSHOの肩に手をかけて、SHOが土下座するみたいに一礼して。それからKUSHIDAも頭を下げる。
ヤングライオンにしか見えないもの、外様のレスラーだから見えるもの、いろんな視点や立場があって、それぞれの思いでもって戦ってるプロレスってやっぱ面白いです。